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東京で暮らすエンジニアが色々書くやつ。

友達が死んだ

 

友達が一人、いなくなった。

 

友人が死ぬ、というのは二十歳の僕にとって初めてだった。人は本当に死んでしまうんだ。

 

実を言うと、彼とは一度しかあったことがない。彼の死を知ったのはFacebook上だった。彼のタイムラインにたくさんのメッセージが投稿されていて、それを読み、たどるうちに事実を知った。

 

一度しか会ったことはないけど、僕にとって彼は特別な存在だった。彼とあったのは2016年の9月、まだ雨季の余韻が残っているコルカタだった。コルカタは、インドの一都市だ。僕が訪れた初めてのインドの、初めて泊まったホテルで、初めてできた友達だった。

 

彼はマレーシア人だ。マレーシアから一人で、インドに来ている。

僕は、なぜインドに旅をしにきているのか、尋ねた。

 

インドに興味があっただけ。とにかく来てみたかった。大学生になる前に、数ヶ月間休みをとって、色んな所を旅しようと国を出てきた。インドが一カ国目。特に計画は立ててないけど、これからたくさんの場所に行ってみたいな!

 

たしか、そんなように英語で答えていたと思う。しみじみと、楽しそうに話していた。

それから、僕がインドに来た理由とか、近い将来アジアを旅して回りたいということなど、夢のある話をたくさんした。彼は日本にも興味があり、いつかは日本に訪れたいという。

じゃあ、その時は僕が日本を案内するよ。楽しみにしてる!

そんな約束もした。

 

お互いがお互いの身の上話に興味津々だった。楽しい会話だった。雨が強くて外に出れなかったこともあり、かなりの時間、ホテルの一階でおしゃべりをした。雨宿りをしに入ってきた猫を、愛おしそうに撫でる彼は、とても優しそうに見えた。

 

出会った次の日の早朝に、僕はホテルを出たから、それ以上の話はしなかった。

またどこかで必ず会おう!と、Facebookの交換をしただけで、それ以上の繋がりはなかったけれど、僕にとっては忘れられない、大切にしたいと思った出会いだった。

 

 

そして昨日、彼がこの世にいないことを知った。

 

インドで知り合ったであろう人々からのメッセージが、英語と中国語で投稿されていた。写真も多く載せられていた。

 

なんでいなくなってしまったんだろう。僕が事実をはっきり知ることはないかもしれない。

彼は亡くなる数日前に「生まれて、すみません」とFacebookに投稿していた。それも、日本語と中国語で。もしかしたら、自ら命を断ったのかもしれない。僕が何か行動を起こしていたら、彼を助けられただろうか。

 

僕がどれだけ頑張っても実現できない夢ができてしまった。一生を尽くしても実現しない。淡く抱いていた希望が消えた。

 

How to break your own heart: meet the one you've been searching for in the foreign land that you've been dreaming your whole life;

write and live the travel tale that redefines the love that you thought you once understood;

send her back to where angels belong and watch the ascending plane tear your heart out chest, while love is comleted, leaving you only the empty shell that as strong as the half awake dream.

 

彼はいなくなる二ヶ月前にFacebookでこう語っていた。

また旅をするんじゃなかったのか。

 

人はしぬんだと知った。

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